おしゃべりしようよ!

今日は昨日より、強くやさしく、自由に。

キャリアのことを考えるつもりが家族のことに行き着いた話。『イノベーション・オブ・ライフ』

最近『イノベーション・オブ・ライフ』という本を読んで、人生のことや家族のことについて考えています。(唐突!)

 

経営の理論を個人の人生に応用する。

優秀な人材が集まったはずの企業がなぜ選択を誤って破壊的な道をたどってしまうのか。

そんなジレンマを研究する中で考えられた経営理論を、個人の人生にあてはめて、本当に成功した人生を手に入れるにはどうすればいいのか考えてみようというのがこの本。

著者が大学の学年末の講義で学生たちに話していた内容がもとになっています。

初めから不幸な人生を歩もうと思っていた人なんていないはずなのに、仕事では成功したとしても家庭生活は破綻していたり、犯罪行為に手を染めてしまったり。

そういう例って身の回りにたくさんありますよね。

 

キャリアについて考えるつもりが……。

私は将来の仕事を考える参考になればと思い、キャリアの話に興味をもってこの本を手に取ったのですが、結果的に仕事の話よりも家族のことをいろいろと考えさせられました。

家族の話に関係して紹介されていた例はいろいろとあるのですが、特に印象に残ったのは、著者が「用事の理論」と呼ぶものでした。

これは簡単にいうと、顧客が物やサービスを選択する時には必ず「片付けたい用事」を抱えていて、それを解決してくれると思った時にその企業を「購入している=雇っている」という理論です。

例えば、私は無印良品が好きで買い物もよくするのですが、その時には「シンプルで飽きがこなくて、モジュールが統一されていて、かつ数年後にも買い足しができて、価格も手頃な収納用品を手に入れたい」という「用事」を抱えているわけです。

まあ、わざわざ「用事」っていう言い方しなくてもと思うのですが……笑

一方で企業側は、顧客の「用事」よりも「属性」の分析をして売上対策や商品改善を行っていることがよくあります。

顧客は何歳で、性別は何で、仕事は何で、どこに住んでいて、収入はどのくらい、家族構成は……などなど。

つまり企業は顧客が望んでいることを本当に理解しようとしていないことが多く、また顧客側も自分が片付けたい用事を明確に意識していないことがほとんどです。

 

家族が本当に求めていることって?

で、この「用事の理論」を家族にあてはめて考えてみるとどうなるか。

多分、家族と良い関係を築きたいとほとんどの人が思っていると思うのですが、じゃあ家族のために何かしようと思った時、家族はあなたに、私に、本当は何を求めているのか、何をして欲しいと思っているのか、実はあんまり考えていないことに気づかされるわけです。

本の中では、「家族から自分は何の用事を片付けるために雇われているんだろう?」と問いかけようと書かれています。

「家族を雇う」っていう言い方に抵抗を感じる人もいると思うのですが、まあ発想の転換というか、考えるトレーニングだと思ってみるのがいいと思います。
 

私たちは意識しなければ、自分の見たいように見て、聞きたいことだけ聞いて、したいことだけをする。

自分の経験や知識の範囲でしか物事を判断できません。

それに目先のことやその時の気分に捉われる。

それが普通の姿だと思います。

さらに悪いことに、身近な人、大切にしたいと思っている人が自分から「大切にして!」と言ってくることはまずありません。

だからどれほど近くにいる家族であっても、ただ同じ空間にいて無意識のまま接しているだけでは、家族が「片付けたい用事=本当に望んでいるもの」を理解することはできません。

いっぱい観察して、話を聞いて、相手の立場になって共感して、相当意識しないとできない。

「用事の理論」を通してそんなことに気付かされます。

 

大切なものは大切にしなければ。

私は今仕事に就いていないので家にいる時間が長いです。そして家族と過ごす時間も長い。

だからこそ、家族がいて当たり前だと思っていたし、なんとなーくこのまま良い関係が続くのかなあなんて思っていた自分に気がつきました。

「当たり前」だと思って何も考えず何もしてこなかったせいで、ある時家族の心がバラバラになっていることに気がついた、なんて話、腐るほどありますよね。

無理して深刻ぶる必要なんてないけど、自分だってうかうかしていて、大切なものを大切にしていなければ、いつか後悔することになるかもしれない。

そんな風に考えさせられてヒヤっとしました。

 

それなら「夫や子供は私にどんな用事を片付けてもらいたいと思っているんだろう?」と考えてみました。

  • 夫→とにかく家ではほっとしたい。
    (美味しい食事、きれいな家、きちんと眠れる環境。でも、場合によっては、家事をほったらかしにしてでもただ話に耳を傾けなければいけない時もある。あと、家事や育児が負担になって私がイライラとげとげするくらいなら「しない」を選んだ方が良い場合もある。私が無理せず元気でいること。)

  • 子供→命を守って欲しい。安心したい。わくわく楽しみたい。
    (食事やオムツ替えはもちろん自分ではできないし、危ないことから(適度に)守ってあげないといけない。不安な時や不快な時はいくらでも抱っこする。楽しいことは一緒に楽しむし、邪魔をせず放っておいた方が良いことも多い。

 

じゃあ、私は家族に何を求めているんだろう?どうして家族という形を「雇う」ことにしたんだろう?

それは「いろんな喜怒哀楽を経験して、お互いの成長を感じて、癒しや安心感を得られるような超・長期的な関係を築きたい」から。

ああ……。こんなオカタイ言葉にしかならないけど……。

考えたことがないからまだ自分の腹にに落ちていない証拠ですね。

でも「超・長期的」っていうキーワードが出てきたのはすごくよかった。

些細なことは気にならなくなるし、数年単位で不調の年があったとしても、それが「家族」なんだって思える。

今の自分の家庭だけでなく、実家の方の家族との関係もそんな風に長期的なものとして捉えることができて、なんだかすっきりしました。

 

こんな人におすすめの本です。 

  • 『7つの習慣』を読んだけどピンとこなかった人
  • 進路を考えている高校生、大学生
  • これから家庭を持とうと思っている、または家庭を持ち始めたところの人

学生向けの講義が元になっているので若い世代の人には特におすすめしたい本です。

 

たまにはマジメなことをマジメに考える。それも大事だなと思います。